鉄道で行きたくなる理由
ローカル鉄道の旅には、大手路線にはない特別な魅力が詰まっています。車窓に流れるのどかな風景、地域の人々との温かい触れ合い、そして目的地に到着した時のささやかな達成感。これらは、日々の喧騒を忘れさせてくれる、最高の旅の要素と言えるでしょう。
そんなローカル鉄道の旅をさらに豊かにしてくれるアイテムとして人気を集めているのが「鉄印帳」です。これは、まるで神社の御朱印のように、特定の鉄道会社の指定駅などで記帳してもらえる、いわば「鉄道版の御朱印帳」。2020年7月にスタートして以来、「鉄道利用の促進」「沿線地域の活性化」「鉄道会社の新しい収入源」という目的のもと、多くの旅人を魅了してきました。
累計7万4000冊以上が販売され、記帳数は80万枚を超えるという大ヒットを記録。その人気は、「鉄旅オブザイヤー2020グランプリ」や「第20回日本鉄道大賞特別賞」を受賞するなど、確固たるものとなっています。ローカル線に乗車し、指定窓口で鉄印帳を提示して記帳(有料)してもらう。このシンプルな行為が、鉄道会社の個性が光る印やデザインとの出会いを生み、「次はどこの鉄印を集めようか」と次の旅への意欲を掻き立てるのです。
そしてこの度、この「鉄印帳」に、地域に特化した「エリア版」が西日本に初上陸するという、鉄道ファンのみならず、旅を愛するすべての人にとって見逃せないニュースが飛び込んできました。
西日本初!中国・四国エリア版の魅力
2025年6月27日に販売が開始される「鉄印帳 中国・四国エリア版」は、第三セクター鉄道等協議会などが中心となり、中国・四国地方の個性豊かな鉄道会社12社が連携して実現した画期的な企画です。
この一冊を手にすれば、瀬戸内海を挟んで広がる美しい自然、歴史ある街並み、そして美味しいグルメを巡る、新しいスタイルの鉄道旅が待っています。これは、単なる移動手段としてではなく、鉄道そのものを旅の目的とする、深い楽しみ方を再発見させてくれるでしょう。
特に注目したいのは、参加する鉄道会社のバラエティの豊かさです。エリア版は、全国版とは異なり、より地域に密着した、その土地ならではの体験を提案することをコンセプトにしています。
今回参加するのは、以下の12社です。
エリア | 鉄道会社名 |
---|---|
岡山 | 岡山電気軌道 |
水島臨海鉄道 | |
井原鉄道 | |
鳥取/岡山 | 智頭急行 |
鳥取 | 若桜鉄道 |
広島 | 広島電鉄 |
広島高速交通 | |
島根 | 一畑電車 |
山口 | 錦川鉄道 |
香川 | 高松琴平電気鉄道 |
徳島/高知 | 阿佐海岸鉄道 |
高知 | 土佐くろしお鉄道 |
このリストには、これまで「鉄印帳」に参加していなかった広島電鉄さんや高松琴平電気鉄道さんといった会社が新たに加わっている点が大きな魅力です。これらの会社が参加したことで、路面電車で街をのんびり巡る旅や、風光明媚な海岸線を走る路線での旅など、中国・四国ならではの多様な鉄道体験が可能になりました。既存の鉄印帳ファンの方も、このエリアに興味がある方も、きっと新しい発見があるはずですよ。
各社の沿線には、その土地ならではの美味しい食べ物、訪れるべき観光スポット、そして温かい人々との出会いがたくさん待っています。鉄印集めをしながら、これらの地域の魅力を満喫できるのが、このエリア版鉄印帳を使った旅の醍醐味です。
入手方法と旅の楽しみ方
この特別な「鉄印帳 中国・四国エリア版」は、手に取りやすいタテ160㎜×ヨコ115㎜のB6変形サイズです。中面は24ページあり、12社の指定ページに加え、フリースペースが7ページ設けられています。予価は1,800円(税込)です。
鉄印の記帳には、別途記帳料(通常300円~500円程度)がかかります。12社全てを巡るには、もちろん交通費や時間も必要になりますが、この一冊は中国・四国地方の個性豊かな12の鉄道会社を巡る旅の「パスポート」であり、旅の途中で出会った景色や人々の記憶を刻む「宝物」になります。1,800円でこれだけ多様な鉄道体験と一生ものの旅の思い出を手に入れられると思えば、非常に高いコストパフォーマンスだと言えるでしょう。
販売開始日は2025年6月27日。購入できる場所は、参加する12社の指定窓口となります。旅の始まりに、あるいは目的の路線の駅に立ち寄って購入するのが一番スムーズです。販売開始日を狙って、最初の目的地を決めるのもワクワクしますね。
確実に手に入れたい場合や、詳しい販売場所を知りたい場合は、訪れる予定の鉄道会社の公式サイトなどで、事前に情報を確認しておくことをおすすめします。旅の計画と合わせてチェックしておきましょう。
新しい旅への羅針盤
中国地方と四国地方に点在する12の鉄道会社。この「鉄印帳 中国・四国エリア版」は、それらを全て制覇するという目標を持つもよし、まずは気になる数社をピンポイントで訪ねてみるもよし、様々な楽しみ方を提案してくれます。
例えば、鳥取県の若桜鉄道でのんびり田園風景を眺め、岡山県の井原鉄道でレトロな雰囲気に浸る旅。あるいは、島根県の一畑電車で美しい宍道湖の夕日を堪能し、香川県の高松琴平電気鉄道で讃岐うどん巡りを兼ねる旅など、魅力的なルートがたくさん考えられます。
この鉄印帳は、単にスタンプを集めるツールではありません。それは、あなたがまだ知らない中国・四国地方の隠れた魅力へと導いてくれる、新しい旅の羅針盤となるはずです。
西日本初の「鉄印帳 中国・四国エリア版」の登場は、私たち旅好きにとって、まさに新しい冒険への招待状です。12の個性的な鉄道会社が手を取り合ったこの素晴らしい企画が、きっと多くの旅人に感動と喜びを与えてくれるでしょう。
さあ、あなたならこの特別な一冊を手に、どんな鉄道旅の物語を紡ぎますか?2025年6月27日、旅の準備は万端ですか?
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