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Mリーグのプロ麻雀チーム「EX風林火山」と不動産テック企業の「いえらぶGROUP」によるスポンサー契約継続は、単なる異業種コラボレーションにとどまらない。この提携には、若者との未来共創を目指す企業の戦略的な意図が込められている。本稿では、このユニークなパートナーシップがもたらす新たな価値と、いえらぶGROUPがMリーグを通じて描く未来の形について考察する。
注目される背景・社会的な動き
Mリーグの人気が若者を中心に急上昇し、単なる麻雀の枠を超えたエンターテイメントとして確立されている。特に20代からの支持が厚く、その競技性だけでなく、選手たちの人間ドラマやチーム戦略が多くのファンを惹きつけている。一方、不動産業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が喫緊の課題であり、それを牽引するIT企業は優秀な若手人材の確保が重要である。このような状況下で、不動産テック企業がいかに若年層へアプローチし、採用活動を効果的に行うかが注目されている。
プロダクトやサービスの概要
Mリーグ「EX風林火山」
2018年からMリーグに参戦する強豪チームであり、テレビ朝日が運営している。武田信玄の「風林火山」をテーマに掲げ、「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」という孫子の兵法をコンセプトとしている。オフシーズンには独自のオーディション「IKUSA」を開催するなど、常に話題を提供し続けている。
▲ Mリーグの人気チーム「EX風林火山」
株式会社いえらぶGROUP
「いい家選ぶ、いえらぶ。」をミッションに掲げ、誰もが安心して住まい選びができる社会を目指す不動産テック企業である。不動産業界に特化したバーティカルSaaS「いえらぶCLOUD」や「いえらぶBB」を全国44,000社以上の不動産事業者へ提供し、業界全体のDXを強力に推進している。同社は自らが不動産取引業には参入せず、あくまで不動産事業者のDX支援に徹することで、業界内での利益相反を回避し、公平なプラットフォームの提供を実現している。
株式会社いえらぶGROUP コーポレートサイト
不動産事業者向けサービス紹介サイト
不動産ポータルサイト
ユーザーにとっての価値・導入メリット
いえらぶGROUPにとっての最大のメリットは、20代に絶大な人気を誇るMリーグを介した若手人材の採用ブランディングである。スポンサーとなることで、大学生や若年層に対する企業認知度を飛躍的に向上させることが可能となる。この戦略は単なる知名度向上に留まらない。同社は「麻雀×就活」をテーマにしたイベントをMリーガーを招いて開催しており、プロ雀士から学ぶ「読み」や「判断力」といったビジネススキルを若者に提供している。これは麻雀が持つ論理的思考力や状況判断能力を最大限に活用した、ユニークな採用アプローチである。
▲ 過去に開催された「麻雀×就活!」イベントの様子。Mリーガーを囲んで就活生が交流。
麻雀×就活!「Mリーガー」特別講演会レポート ~プロ雀士から学ぶ”読み”と”判断力”~
学生にとっては、Mリーガーとの交流を通じて実践的なビジネススキルを学ぶ貴重な機会となる。また、2025年にはEX風林火山と合同でイベント企画・実行を行う大学生インターンシップも実施予定であり、学生が企業のマーケティング活動に直接参加し、リアルなビジネス経験を積む機会が提供される。
導入事例や今後の展望・市場性
いえらぶGROUPとEX風林火山のスポンサー契約継続は、企業の明確な採用戦略とMリーグの若者への強力な訴求力が融合した、まさにWin-Winの関係構築事例である。麻雀という知的戦略ゲームと不動産業界のDXという異分野が交わることで、単なる広告宣伝の枠を超え、新しい人材育成や企業ブランディングの形が生まれている。今後、このような異業種コラボレーションは、企業が若年層とエンゲージメントを深めるための有効な手段として、さらに注目される可能性がある。特に、特定のスキルや思考力を育むエンターテイメントをフックに、採用活動や企業文化の醸成を図る動きは、多様な業界に波及する潜在性を秘めている。いえらぶGROUPとEX風林火山の今後の活動は、現代の企業が若者と繋がり、未来を共創するための先進的なモデルケースとして、その動向が注目される。
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